Wind River Blog Network 翻訳版
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June 26, 2017

新型クラウドプラットフォームで、通信分野のセキュアなエッジコンピューティングアプリケーションのデプロイを簡素化


投稿者:Charlie Ashton

通信分野のエッジアプリケーションがもたらす新たな収益機会

世界中の通信サービス事業者が、ネットワークエッジで実行されるアプリケーションを、魅力的なビジネスチャンスと捉えるようになってきました。従来のブロードバンドや音声サービスの収益が実質横ばいである一方、エッジアプリケーションは、新たなサービスを新たな顧客に売る好機になります。魅力的なサービスをいち早く市場に投入できるサービス事業者には、市場の浸透を深め、ARPUを増やす可能性があります。

エッジアプリケーションで幅広い関心を集めている一例が、マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)、汎用宅内機器(uCPE)、Software-Defined WAN(SD-WAN)です。

MECによりサービス事業者は、コンテンツやアプリケーションをRAN(無線アクセスネットワーク)内のデータセンターに設置することで、クラウド型アーキテクチャではレイテンシや帯域幅の制約があって実現できない、新タイプのサービスを市場に投入できます。MECの代表的なアプリケーションは、スマートスタジアム、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、V2X(車車間・路車間)通信、モバイルHD動画、プレミアムテレビなどです。同様に、uCPEとSD-WANを組み合わせることで、従来の物理アプライアンスを使用するより運用コストが低く、俊敏性の高いマネージドサービスを、エンタープライズ顧客に提供することができます。これによって、新たな収益の可能性が開かれます。

仮想化の課題

こういったエッジアプリケーションはすべて、オーケストレーション、管理、最適化された動的リソース割り当てにおいて俊敏性を最大化できるように、仮想化に依存しています。同時に、小さな支社や遠隔地に適した価格帯の、低コストで省電力のサーバプラットフォームに実装しなければならないのが通常です。コストのかさむ保守要員の派遣や修理サービスの依頼を避けるため、サーバは集中管理オーケストレーターと通信を行いながら、自動化されたインストール、プロビジョニング、メンテナンスをサポートしている必要があります。

以上の要件により、仮想アプリケーションを実行するためにサーバ上にインストールされた仮想化ソフトウェアプラットフォームには、厳しい制約が課せられます。CPU、メモリ、ストレージのリソースが限られた低コストのハードウェア上で動作しながらも、「手動操作が不要」のデプロイ、リモート管理、高パフォーマンス(多くのエッジアプリケーションはリアルタイムのレスポンスが必要)をサポートしていなければなりません。もちろん、堅牢でエンドツーエンドなセキュリティのサポートも不可欠です。

Titanium Edge SXを発表

サービス事業者が幅広いエッジアプリケーションに効率よく対処できるように、ウインドリバーはエッジクラウドプラットフォームTitanium Edge SXを発表しました。Titanium Cloudポートフォリオの最新製品であるTitanium Edge SXは、コントロールノード、コンピュートノード、ストレージノードを、1つの統合ソフトウェアパッケージに集約します。安価な1台の物理サーバ上に「シンプレックス」構成でデプロイ可能で、前述の要件を満たします。

IHSマークイット社のシニアリサーチディレクター兼アドバイザー、マイケル・ハワード氏は次のように述べています。「通信サービス事業者の間で、エッジアプリケーションへの関心が高まっています。従来の顧客基盤を超えた新たな収益源をターゲットにする手段として、セントラルオフィス(CO)やuCPEから提供されるマネージドサービスやMECなどが注目されています。これらのユースケースには、低レイテンシ、高スループット、エンドツーエンドなセキュリティを実現する仮想化コンピュートプラットフォームが必要です。低コストでスモールフットプリントのサーバやデバイスで実行できることも必要です。ウインドリバーのTitanium Edge SXは、オープンスタンダードをベースにして、エコシステムパートナーのアプリケーションソフトウェアとセットになっています。サービス事業者は検討する気になるのではないでしょうか」

Linux、OpenStack、KVM、DPDK、Cephといった標準オープンソースソフトウェアをベースにしたTitanium Edge SXは、サービス事業者のインフラに必要なレベルのパフォーマンス、プラットフォーム管理、セキュリティ、仮想マシン(VM)ライフサイクル管理を実現するために、幅広い強化機能を搭載しています。ウインドリバーはこれらのオープンソースプロジェクトすべてでコントリビューターとして積極的に活動しており、パッチをコミュニティにアップストリームしています。通信市場に不可欠な機能で業界の重要課題に対処すべく、他の企業と協力しています。

高パフォーマンスをシンプルな運用で

AR、VR、コネクテッドカー、遠隔手術といったインタラクティブでリアルタイムのMECアプリケーションをサポートするために、Titanium Edge SXは平均3µsの超低割り込みレイテンシをVMに提供します。Low Latencyコンピュートプロファイルを利用し、インテグレーション済みKVMハイパーバイザを強化する包括的な機能セットが支えています。同時に、高速化された仮想スイッチ(vSwitch)では、スイッチング性能がカーネルベースのvSwitchの最大40倍になります。その結果、スイッチングに必要なプロセッサコアの数が最小限に抑えられ、VMの実行に利用可能なコア数が最大化されます。これにより、1台のサーバでサポートするユーザ数を最大にできます。このことは、1加入者あたりの総コストを削減する鍵になります。

Titanium Edge SXは、サービス事業者がネットワーク運用コストを軽減するのに役立ちます。一般的に、自社開発ソリューションと比較すると、インストール、コミッショニング、メンテナンスで数百万ドルの節減になります。プラットフォームは、単一の事前インテグレーション済みイメージとして提供され、手動操作なしにインストールされます。オーケストレーションされたインテリジェントなパッチ適用エンジンにより、最大数百ノードを迅速にアップグレードでき、メンテナンス時間を最小限に短縮できます。

包括的なセキュリティ

エッジコンピューティングアプリケーションは、サービス事業者のデータセンター、CO、PoP(Point of Presence)から離れたオープンな環境で、エンドユーザが自分でインストールする場合が少なくありません。これは、特有のセキュリティリスクをもたらす要因になります。Titanium Edge SXでは、包括的に揃えたエンドツーエンドなセキュリティ機能で対処します。たとえば、UEFIセキュアブート、ホスト保護用の暗号署名入りイメージ、最高度のセキュリティでVMをデプロイするための仮想TPMデバイス、TPMハードウェア(利用可能な場合)に証明書を保存するTLS、暗号化されたパスワードを保存するためのセキュアなキーリングデータベースなどの機能を備えています。

以上の機能や他の機能が一体となって、脅威がどこで発生しても、Titanium Edge SX上で動作するエッジアプリケーションを確実に保護します。

エンドツーエンドなソリューション

Titanium Edge SXを中心にしたエンドツーエンドなトータルソリューションの展開を加速するために、ウインドリバーは、Titanium Cloudエコシステムを通して業界をリードする各社と協業しています。ハードウェア/ソフトウェア製品の徹底した技術的検証などでも協力しており、製品がTitanium Edge SXと正しく動作することを確認します。それにより、マルチベンダを利用するユースケースでのサービス事業者のデプロイサイクルを加速することができます。

検証済みエッジソリューションの一例として、ウインドリバーはDell EMC社およびSaguna社と、統合MECプラットフォームで協力しました(こちらのウェブセミナーで解説)。同様に、Dell EMC社およびVersa Networks社との協業では、最適化されたuCPE/vCPEソリューションを実現しています(こちらのソリューション概要で紹介)。

すべて揃ったファミリ

edgeSX

Titanium Edge SXは、Titanium Cloud仮想化プラットフォームポートフォリオの最新製品です。Titanium Cloudの全体的なアーキテクチャのもとに、以下の製品が用意されています。

  • Titanium Core:最大数百サーバのデータセンター、CO、PoPでのデプロイ向け

  • Titanium Edge:ネットワークエッジや宅内での2サーバ構成向け

  • Titanium Edge SX:ネットワークや宅内でのシングルサーバ構成向け

  • Titanium Control:エネルギー、スマートビルディング、製造業、ヘルスケアといった分野での産業用制御アプリケーション向け

詳細について

このブログ記事で取り上げたのは、Titanium Edge SXに搭載された機能のほんの一部です。すべての機能が、通信業界向けエッジアプリケーションの実装と運用を効率化するために設計されています。Titanium Cloud製品の詳細については、サイトで情報をチェックしてください。お問合せいただければ、直接ご説明する機会を設けます。